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プロフェッショナル!挑戦する焼津の企業~焼津の魚をどこまでも!東海ボデーの冷凍コンテナ!~

東海ボデー製作所の外観

今回は、株式会社東海ボデー製作所を取材しました!カツオやマグロなどの水産業が盛んなことで知られる焼津ですが、その美味しさを多くの人に楽しんでもらうには新鮮な状態で輸送する必要があります。それを可能にしているのが東海ボデーさんのつくる冷凍コンテナなのです。焼津の水産業の縁の下の力持ちともいえる東海ボデーさんの仕事をご紹介します!

お話を伺った鈴木伸雄課長

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東海ボデーの仕事とその歩み

株式会社東海ボデー製作所は、マグロや冷凍食品・冷蔵食品を主とする運送業を手がけるアストラックス株式会社のグループ企業として1978年に誕生しました。全国的にも珍しいマイナス40℃の冷凍コンテナの製作に取り組んでおり、さらにはマイナス60℃の移動式急速冷凍コンテナを国内で唯一保有するなど、高い技術力を誇っています。

その高い技術力の源泉はなにか

現在、マグロの運搬に必要な温度はマイナス50℃~マイナス60℃といわれています。しかし、東海ボデーの超冷凍トラックが開発される前は、トラックに冷凍機を搭載し、機械の力で冷やしながら運ぶという方法はあったもののマイナス30℃が限界でした。窒素式トラックで運ぶという方法もありましたが、毎回窒素を補充する必要があるためランニングコストがかかるものでした。

東海ボデーはこの問題に真っ向から立ち向かいました。

目をつけたのは、海上コンテナの技術

窒素式トラックが主流だった当時、清水港にデンマークの海コン大手、マースクライン社の海上コンテナが来航しました。マグロをマイナス50℃で保つことのできるこの海上コンテナが東海ボデーに光明をもたらしました。陸上を走るトラックと海上を進む船とでは振動が異なるものの、この技術をトラックに応用できないかと考え、デンマークのNorfrig社と共同開発の末、マイナス50℃で走る超冷凍トラックの開発に成功したのです。

超冷凍トラック

ステンレス加工品

温度管理にかける情熱と技術

東海ボデーのつくる冷凍トラックは、運ぶものや運ぶルートにあわせて徹底管理されています。鮮魚だけでなく、温度管理が必要な卵などの食品や雑貨の運搬、さらにはその溶接技術からステンレスの装飾品も手がけているそうです。

実際に、製造中のコンテナを見せてもらいました。積載重量を圧迫しないように、コンテナに使用する床材や壁材は、薄くても温度を保てるように工夫されているそうです。電気系統はその道の専門家に相談するなど、パートナー企業と連携しながら柔軟に対応していると鈴木課長は教えてくれました。

製作中のコンテナ

設計の様子

「たとえ自分たちが初めて手をつけることでも、どうにか成し遂げようと努力し、わからないことはそのことに詳しい人に聞きながら進めます。自社だけでなく周りを巻き込むことで人脈もでき、それがまた新たな仕事につながっていると思いますね」と鈴木課長。

特に焼津は企業同士の横のつながりが強く、助け合いの意識が強いとのことでした。お客様から意見や助言をいただくこともあり、それらも全て東海ボデーの技術力の向上につながっているそうです。「新しいことに挑戦し続ける」という会社の気質が表れているように感じました。

現場の声

社員の前田聖斗さんにお話を伺いました。

前田さんは21歳からこの業界におり、仕事内容は自分に向いていると感じているそうで、その表情からも自信が伝わってきます。

お話を伺った前田さん

「様々な仕事を受けている東海ボデーでは、個人の方からの依頼もあり、その車輌にはお客様のこだわりが詰まっています。そういった仕事を最初から最後までやりきり、世界に一つだけの製品を納品したときにやりがいを感じます」と前田さん。

業務後は残業もほとんどないため社員みんなで釣りに行くことも多いそうで、会社の雰囲気のよさと海が近い焼津ならではのエピソードだと思いました。

東海ボデーの展望と必要な人材

東海ボデー製作所の皆さん

鈴木課長によると、異業界へ拡がりを見せるのは「移動式急速冷凍コンテナ」だそうです。

現状のコンテナは「冷凍しているものが解けないように保つ」というもの。それに対して移動式急速冷凍コンテナは、それ自体が凍らせる能力を持っています。国内にまだなく、まさしく東海ボデーの新たな挑戦といえる分野です。

創業当時から受け継がれている東海ボデーの新しいことへの探求心は、どんな状況でもやるべきことを見つけ出し、多くの業界を発展させるのだろうと思わせてくれます。

求められるのは、素直で自分の意見を持っており、夢がある人。もちろんアルミやステンレスの溶接技術を持っている人は即戦力になりますが、それよりも思いやりなどの人柄を重視したいということです。技術者の前田さんも、「若い人に技術を伝えたい」と思いを教えてくれました。器用で細かいところによく気づく人に入ってきてほしいそうです。

新しいことに挑戦し続ける東海ボデーの、そして技術者の思い。それをつないでいく新しい人の力がさまざまな業界の課題を解決する光となりそうです。

株式会社東海ボデー製作所

  • 住所:静岡県焼津市治長請所43-1
  • 電話番号:054-623-1066

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まちリポ事務局

焼津の魅力を発信する有志のリポーター「焼津まちかどリポーター」の運営事務局。
「旬」な焼津のヒト・コト・モノを発信するべく、まちかどリポーターにさまざまなサポート・支援を行っている。

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ページ更新日:2023年6月6日