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ものを包み、気持ちを添える紙袋・封筒づくり

株式会社横田の松下さん

株式会社横田 松下 剛浩さん

1984年、静岡県焼津市生まれ。
絵を描くことが好きだったことから静岡文化芸術大学 文化政策学部 芸術文化学科へ進学。
在学中に印刷業に興味を抱き、浜松市内の印刷会社へ入社。その後、東京勤務で生活が一変したことをきっかけに、転職を決意。2010年に焼津市で紙袋や封筒の印刷を手掛ける株式会社横田へ入社。

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急ぎ足の東京、安心の焼津

インタビューを受ける松下さん

私は大学卒業後、県内の会社に就職したものの、会社の都合で2年半ほど東京で勤務していました。それまでは大学も静岡文化芸術大学に通っていて、県外に出るということは一切考えていませんでした。県外に出たくないというよりは、離れたいと思わなかったんです。

入社したのは浜松に本社のある印刷会社で、入社3カ月くらいした頃に東京に配属されました。「これも経験になるかな」と思っていたのですが、1年経ったくらいの頃に、「これはやばいな」と内心思いまして……。
職場は中央区日本橋近辺で、営業として勤務していましたが、身体が浮くほどの通勤ラッシュ、長時間労働など、生活していくには急ぎ足といいますか、窮屈に感じてしまいました。遊びに行く分には、ものも情報も溢れていて魅力的なまちなんですけどね。

その後、いま勤めている横田を知った場所はハローワークでした。横田は印刷業といっても、扱っているのは封筒や紙袋。イメージしていた印刷関係の仕事とはジャンルが違ったので、「地元にこんな会社があるんだ」と驚きました。
技術面でも特化しているところに魅力を感じましたし、印刷会社に入社する前から企画制作に興味があって、当時イラストレーターの勉強もしていたので、それも活かせるのではないかと応募しました。

裁断くずを再生紙に?他社がやらない仕事

業務の説明をする松下さん

僕はいま、印刷に必要な版(オフセット印刷の判子にあたるもので、アルミプレートの上に絵柄を焼き付けます)を製作する製版課という部署に所属しています。
お客様の入稿データを微調整したり、編集するのが主な業務ですが、一から自分たちでデータを制作することもあります。印刷に関する知識は前の会社で把握していましたが、紙袋や封筒の印刷となると「展開図」をイメージしなくてはなりません。袋にした時に不自然な絵柄にならないか、はじめの頃は苦労しましたね。

また、横田では裁断くずを再生紙として活用する技術を持っています。それが横田オリジナルの封筒に生まれ変わります。
2008年頃から進んでいた構想で、もともとは付き合いのある製紙メーカーさんからの相談でした。紙幣は、天然繊維のなかでも硬質で弾力性のあるものを原材料として使用しているため破れにくく非常に丈夫にできています。紙幣の裁断くずは住宅用建材などとしてリサイクルされますが、一部は一般廃棄物として焼却処分されているんです。
社長が「裁断くずを再生紙にして現金封筒をつくれたら、自社のPRにもなる」と考え、以来、技術を磨いてきました。同業者にとっては、コストもかかる加工技術を実現させていることに当時は驚きがあったのではないかと思いますね。

株式会社横田

製造業
印刷から製袋まで一貫して自社生産する株式会社横田。特殊な印刷が施されたお札など、古い紙幣の再資源化も得意としています。

株式会社横田の社屋

子育てのしやすいまち・焼津

娘を見守る松下さんと家族の皆さん

実は僕、去年の大晦日に子どもが生まれました。女の子です。子育てをする当事者として考えたときも、焼津に戻ってきてよかったなと感じますね。
もし、東京で子育てということになったら、おそらく自分のことで精一杯だったと思うんです。今でも嫁さんに頼まれた時におむつを替えたりするくらいで、決してイクメンというわけではありませんが、東京では今よりももっとフォローできないと思います。

毎日の通勤ラッシュや知らない土地といった無意識のストレスが今はありません。生活リズムも働きやすさも改善されて、やりたかった企画制作の仕事もできている。焼津に帰ってきたことは、間違いなく自分にとってはベストな選択でした。そうした「安心できる」「働きやすい」という環境が、今の「子育てのしやすさ」につながっていると感じます。

休日は同じく焼津で暮らす両親のもとに子どもの顔を見せに行ったり、ベビー用品の買い出しに行ったり、あとは嫁さんが魚好きなので、焼津さかなセンターに行きますね。焼津育ちにも関わらず、実はさかなセンターにも海上花火にも行ったことなかったんです(笑)。嫁さんと結婚してから自分の焼津ライフがより焼津らしくなっています。新しい発見の多いまちです。

松下 剛浩さんがオススメする焼津のイイトコ Cache Cache(カシュカシュ)

松下さんがおすすめするお店「カシュカシュ」

甘いもの好きだという松下さんのおすすめは東小川にある焼き菓子店「Cache Cache(カシュカシュ)」。
白色を貴重とした壁がおしゃれで、奄美大島のきび糖を使ったクッキーなどが人気。

「仕事帰りに嫁さんに買っていきます」と松下さん。
JR焼津駅から車で約10分。
土曜日・日曜日営業 完全予約制

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まちかどリポーター:まちリポ事務局

まちリポ事務局

焼津の魅力を発信する有志のリポーター「焼津まちかどリポーター」の運営事務局。
「旬」な焼津のヒト・コト・モノを発信するべく、まちかどリポーターにさまざまなサポート・支援を行っている。

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ページ更新日:2017年10月24日