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焼津から、新しい畳の新提案をし続ける『松葉畳店』

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脱サラした畳職人

焼津市中新田にあるリニューアルした松葉畳店さんのお店を訪問しました。

イ草を使った雑貨で徐々に知名度を上げている畳屋さんで、店内を案内してくれたのは、畳の表替えをしていた畳職人の伊藤謙さんでした。
(表替え:畳床はそのままに、畳表・畳縁を新しいものに交換すること)

松葉畳店の伊藤さん

謙さんは大学卒業と同時に静岡市に就職。
もともとは愛知県出身ですが、そのまま、結婚や転職を経て、静岡の地に定住したそうです。

畳職人になる前は不動産会社に勤務。
全くの別業種ではあるが、新築時の和室が大きく減っている畳業界は厳しい状況にあることは知っていて、畳職人への転身となりました。

大きなキッカケとなったのは、妻の知美さんの存在。
謙さんの妻の知美さんは、謙さんよりも1年早く焼津市の実家である畳屋の家業を継ぐことを決意し、畳の良さを世に広めるために活動を始めていました。
畳の材料であるイ草をつかった雑貨を開発し、積極的に販売を始めたのです。

知美さんの活動に休日を使用して参画していく中で、イ草について勉強し、次第にイ草に惚れ込み、畳職人をやってみたいと思ったことが、脱サラしたキッカケとなったそうです。

イ草香る新工場

新店舗を案内してもらうと、工場というよりショールームのようでした。
ガラス張りで店内や1階の作業場が丸見えで、内側には素材そのままの木が張り巡らされています。

中2階から店内に入ると、ブワッと木とイ草の匂いが香る別空間になります。
販売スペースに、ところ狭しと和美さんが制作したイ草を使った雑貨が陳列されており、オリジナル商品だけでなく、全国からイ草を使った商品を集めて販売しているそうです。
無農薬のイ草の粉末をつかったスイーツまで用意してあり、新しい発見がいっぱいでした。

販売スペース

さらに2階は畳スペース。
このゆったりと居心地の良い部屋で、謙さんのインタビューをさせていただきました。

畳スペース

 

未来を切り開く決意

現在は、畳の需要がどんどん減っており、畳の材料であるイ草の生産量も大幅に減っています。
またイ草農家の数も減少傾向が続いており、決して明るい未来とは言えません。
(参照元:農林水産省「いぐさ・畳表をめぐる事情」)

そんな畳業界を少しでもよくするために、イ草農家の生の声を拾いに熊本に行ったり、雑貨や食品などイ草の新たな需要を掘り起こしたりして、畳の良さを少しずつ広める活動を行っています。

「正直未来は読めないけど、生産者の想いを聞いたら中途半端な気持ちではやれない。一つ一つの仕事を丁寧にこなし、真面目にやっていくことで、地元に愛される畳屋になりたい。そのためには、今のうちに工場を立て直す必要があった。」

と謙さんは静かに語ってくれました。

工場の建て直しは、松葉畳店の将来に向けた決意でもあったのです。
たくさんの人たちに畳の良さを伝えていく、これからの松葉畳店の活躍に注目です。

イ草

 

編集後記~工場建設の裏エピソード~

夫婦で工場を建て直したいね〜という話しをしていたら、いつの間にやら図面が出来上がってきて、謙さんはビックリしたそうです。

やると言ったら、すぐ実行する!知美さんの圧巻の行動力に脱帽しました。

松葉畳店のホームページの画像

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焼津の魅力を発信する有志のリポーター「焼津まちかどリポーター」の運営事務局。
「旬」な焼津のヒト・コト・モノを発信するべく、まちかどリポーターにさまざまなサポート・支援を行っている。

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ページ更新日:2021年2月15日