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プロフェッショナル!挑戦する焼津の企業~自動車用ランプで時代を照らす!光技術の匠企業 メガロ化工株式会社~
ホンダやヤマハ、スズキなど、世界的輸送機器メーカーの発祥地である静岡県。焼津市にはその関連部品製造に携わる企業が数多くあります。焼津市を中心に7拠点を有するメガロ化工株式会社も代表的企業です。
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御料車や高級車にも採用される製品の品質
会社のエントランスに展示されている「歴代の自動車用ランプ」
メガロ化工株式会社は、自動車用ランプを中心とした自動車関連部品の製品設計・試作品製作・金型製作などに取り組む企業です。創業は1974年。ラジオのつまみボタンや化粧水容器のパーツなどの試作・プラスチック加工が原点です。
その後、自動車照明用部品を主として、幅広い産業分野で、設計・試作・量産に至る製品開発のサポートを手がける会社に発展しました。代表作とも言える自動車用ランプは、御料車や高級車にも採用されており、会社のエントランスでは、歴代の「作品」が出迎えてくれます。
お客様の依頼に応える製品づくりのためのハード、ソフト、技術へのこだわり
自動車用ランプの光源は、ハロゲン電球からLEDへと進化しました。そして、より安心・安全であること、優れたデザイン性であること、そうした製品を安定的に大量生産するための工夫を施すこと、さらに、近年では地球環境にやさしいことが求められるようになりました。社会の変化に応じて、自動車用ランプも進化し続けています。
メガロ化工株式会社では、「ハイエンドCAD/CAM/CAEシステム」を導入し、製品の設計、製造、シミュレーションの各段階で、独自ノウハウに基づくコンピューターシステムの活用を進め、高性能な製品づくりを合理的に実現してきました。
光をコントロールするためには、プラスチック部品の形状、厚み、角度などを極微細な(0.01mm)単位で加工し、光の屈折や反射を調整する必要があります。高品質な製品を大量生産するためには、設計と試作段階で製品の不具合を早期に発見し、お客様と共有しながら徹底的に改善していくことが大事です。
試作品の段階では、CAE(光が目標物をどのように照らすのかをシミュレーションするシステム)で解析し、設計の妥当性、性能試験、最適形状や最適条件を検討して問題点を洗い出すことで品質が保証され、量産段階に進むことができます。技術へのこだわりがメガロ化工の強みであり、匠の技が各段階で発揮されます。
実際の解析画面をいくつか見せていただきました。例えば、光学シミュレーションソフトの「光線追跡」では、ランプの3Dデータを用いて、LEDの光源の軌跡を可視化できます。様々な部品で構成されているランプにおいて、光がどの部品を通ってきているかを色分けして表示しているそうです。
光線追跡
つづいて、光学シミュレーション解析ソフトによる「輝度(色度)解析」では、ランプの色が正しく出ているのかを確認できます。ランプの色も、法規で定められているといいます。
輝度(色度)解析
こちらは、ライトを照らしたとき、運転者側から狙った配光どおりに光が放たれているのかを確認するための照度解析画面です。
照度解析
こちらは、できあがった製品について、路面をイメージした画面にライトの光のパワーがどのように広まっているのかという路面照度を確認しています。この画像からは、走行する車のランプが連想できますね。
路面照度
また、ライトを量産するときには金型をつくり、それに溶かした樹脂を流し込んでプラスチック製品をつくります。そもそも金型が万全でなければ製品に不具合が生じてしまいます。そのため、実際に金型をつくる前に、金型形状のCADデータで樹脂を流し込むシミュレーションを行うそうです。アニメーションで樹脂の流れ方や充填具合を確認していけば、より精密な金型を製作できるというわけです。
樹脂流動解析
さらに、精密なランプの生産においては、量産段階における金型の耐久性も重要になります。金型を精密につくっても、溶けた樹脂に圧力をかけて金型内部に入れ込んでいくので、どうしても変形してしまうとのこと。そこで、射出成形時の高圧化に耐えうる金型を設計段階から作り込むために、金型変形解析を利用するのだそうです。
金型変形解析
金型強度解析によって、「バリ」レス金型の製作を実現
(「バリ」とはたい焼きにできるはみ出した部分をイメージしてください。)
メガロ化工株式会社では、日本車でも実装が広がってきた「DRL(デイタイム・ランニング・ライト:事故防止を目的に、フロントライトで歩行者が日中でも自動車を視認できるように点灯させるライト)」の開発など、光学的に高度な技術を必要とする分野にも関わっています。少しでも設計が狂うと思ったように光らなかったり、配光されなかったりするため、こうした精密なシミュレーションの繰り返しが不可欠であるといいます。
安全性を保つために、厳しい法規を遵守しながらつくるランプ。それと同時に、デザイン性を高めたり、コストを下げたりするためにナノレベルで追求がされている光の世界は、「安全性を第一に考えた法規の厳しい枠組みがありながら、その中でいかにクリエイティブに仕事をするかが知恵の絞りどころ」と、総務部・試作部の望月部長は語ります。
「開発支援企業」としての環境づくり・人づくりの風土
また、メガロ化工株式会社では、プラスチックや金型を削ったり、穴を開けたりする工作機械のマシニングセンタをはじめ、ハイスペックな機械を多数導入しています。なかでも5軸のマシニングセンタは、縦、横、高さの直線3軸に加え、回転運動を行う2軸を含むことから、複雑な加工ができたり、面品位が向上したり、作業工程が集約できたりするなど、効率化や品質向上が実現できるそうです。
高い加工精度を誇る工作機械「超精密マシニングセンタ」
高い加工精度を誇る工作機械「超精密マシニングセンタ」
「ヘッドランプの量産金型を製作する前に、見映え上の問題点を試作モデルで最終チェックしたい」というお客様からのリクエストがあったときには、光造形機(3Dプリンター)が活躍しました。十数点の全部品を光造形で制作することにより、工期を短縮し、わずか10日間で納品ができたことで、問題の解決に貢献できました。「これからも、ソフトウェアとハードウェアを駆使し、経験で培ってきたノウハウを活かしていきたい。依頼されたものを『作る』だけではなく、より良い商品を『創る』ためにお客様に伴走し、解決策・改善策を追求する仕事。だからおもしろい」と望月部長は語ります。
社内を案内してくれた望月部長。専門的なことを素人の私にもわかるように説明してくださいましたが、「自分の仕事のことを説明するのは難しい。子どもにも、『お父さんの仕事ってなに?』と聞かれて、あれこれ悩むが、結局『車のランプを作ってるんだよ』としか説明できなくて困る」と苦笑されていました。ひたむきに仕事に取り組むお父さんの姿は、きっとお子さんにも魅力的に映っているのではないでしょうか。
総務部 試作部部長の望月さん
社員の合言葉は「ジャストニーズで感動の物創り」
社員の皆さんの原動力となっているのは、会社の「使命感」に掲げられた「ジャストニーズで感動の物創り」の精神です。これは久野社長が経営に関わるタイミングに掲げた、社員との合言葉。お客様のニーズに応じて柔軟に対応し、お客様を感動させる物創りに励む気持ちを大切にしてほしいという久野社長の願いが込められています。
「物創り」の「創」という漢字もそのこだわりの表れ。未経験の開発案件や設計から大量生産までのプロセスにおいては、予定どおりいかないことが少なくありません。最大の創造性、柔軟性を発揮することが求められます。そうしたニーズに対応するからこそ、信頼性が高まり、頼もしい存在として認めていただける。そう信じて、努力を惜しまないという姿勢を示しているそうです。
開発技術の高さや地域貢献が評価され、様々な表彰を受けている社員の声
社員の声
入社15年目。技術部 次長の名木さん
物創りが好きになったのはメガロ化工に入ってからです。メガロ化工では試作から量産金型、成形など、仕事のバリエーションが幅広いので、「飽きない」という魅力があります。そして、モノができる「過程」を大事にするようになりました。また、ただ仕事をこなすのではなく、常に考えて取り組み、深く技術を学ぶようになったことで、仕事のおもしろさもわかってきました。今後は自動車のランプだけでなく、自分たちの技術を活かし、様々な分野にも挑戦していきたいと思っています。
光の技術を追究し、様々な業界への貢献を目指す~久野社長より~
久野社長
自動車業界の今後に大きな変化を感じる中、主力の自動車ランプ部品以外にも様々な分野に挑戦する必要があります。LED技術、プラスチック加工の射出成型技術のノウハウを活かして、環境、医療、食品などの業界にも関わっていきたいと考えています。そこで、メガロ化工では「開発の問題解決・提案を楽しみたい」「難しい仕事に挑戦したい」という方を歓迎しています。研究・開発支援に対する理解と環境がある「開発支援企業」ですので、関心をお持ちになった方は会社見学に、ぜひお越しください。
取材を終えて
自動車ランプは身近な存在ですが、その光創りの技術を知る機会はありませんでした。今回の取材で、繊細な技術の組み合わせと試作の繰り返しによって安全な製品ができていることを知り、とても驚きました。そして、社員さんが仕事への想いを熱心に語る姿も印象的でした。決して簡単ではない仕事だからこそ、それに取り組む社員さんは探求を続け、やりがいを感じるんですね。専門的な話を初めて聞いた私でも、その技術の世界に魅力を感じました。ものづくりや技術の世界を学んでいる人が同じ話を聞いたら、もっともっと、ワクワクするのではないでしょうか。技術に興味がある人たちに、会社見学をしてもらい、メガロ化工株式会社の匠の技術をぜひ知ってほしいと思いました。
メガロ化工株式会社 焼津本社
メガロ化工株式会社
- 住所:〒425-0074 静岡県焼津市柳新屋231
- 電話番号:054-626-1322
- ファクス番号:054-627-5637
- メガロ化工株式会社ホームページ(外部サイトへリンク)(別ウインドウで開きます)
まちかどリポーター
まちリポ事務局
焼津の魅力を発信する有志のリポーター「焼津まちかどリポーター」の運営事務局。
「旬」な焼津のヒト・コト・モノを発信するべく、まちかどリポーターにさまざまなサポート・支援を行っている。
ページID:324
ページ更新日:2022年3月25日