焼津市ホームページまちかどフォトニュースバックナンバーまちかどリポーター一覧かめ ≫ 地元民も知らないマートの世界 石津マートへ潜入!

まちかどphotoニュース

ここから本文です。

地元民も知らないマートの世界 石津マートへ潜入!

忙しい現代。主な買い物先は、いくつもの用事を一度に済ませることのできる「大手スーパー」という方は多いと思います。しかし以前は、各地域に肉、魚、野菜を扱う「マート」「ストアー」といったお店があり、地元の人たちの生活を助けてくれました。

少なくはなりましたが、現在でも、まだそんなお店が残っています。

ページ内メニュー

 

地元通の3人に聞いた、石津マートの魅力

小川港の近くにある「石津マート」もその一つ。これがなかなか面白い。
その魅力を地元通の3人に伺ってみました。

日々の生活を支えてくれるこういうお店が大好きです

地元通・江良由美さん

(週5フルタイムで働きながら、夫1人と子ども2人の4人家族!)

コンパクトな売り場でレイアウトもきちんとしてるので、欲しいものにすぐたどり着けます。品数も私にはちょうど良い。だからメニューの組み立てもその場でしやすいと感じます。
お値打ちの目玉商品もいつも嬉しいし、取り扱う商品も地元の物が多いような気がします。旬のものも手に入りやすい。だから、値段と商品の質を比べて「損をした」と思ったことがありません。流行に流されない品揃えもいいですね。
お馴染みさんが多いから、お客さんの声を反映しやすいのかもしれませんね。

マートやストアーは自営業の強い味方!

地元通・芝田綾子さん(芝田縫製店主・縫製師)

父が以前こんにゃく屋をやっていましたが、こういう地元密着のお店が商品を扱ってくれました。納品の帰りによくお惣菜を買ってきたので、馴染みのある味です。石津マートさんのお惣菜はレパートリーが多いですよね。久しぶりに買いましたが、美味しかった。特にへそのフライ!デザートに買ったパウンドケーキも!
焼津は家で商売をやっているお宅が今も多いですね。仕事の合間に手軽に食べられるお惣菜はすごく助かります。思い出すと、昼や夜、こういうお惣菜やお弁当の日が多かったな。近所の人や近くで働いている方にとっては嬉しいのでは?

地元について知りたいのなら地域密着のお店へ!

地元通・巻田友子さん(宿泊施設勤務。ときどき畑)

自分自身も旅行に出た時に、地元の人が買い物をするような店を覗きます。特に地域密着型のお店は、そこにしかない品揃えで見るだけで面白い。
思ってもみない物を売っていることもあって、びっくりすることもあります。その土地独特な物はお土産にもなるので、そこも嬉しいですね。
その店を観察すると、その土地にどういう人が住んでいてどういう土地柄なのかが想像できます。そこの暮らしがよく分かる。また自分が住んでいるところに有るものと同じ品物を見比べてみると、値段から物価が想像できて面白い。
惣菜などは郷土食も置かれていることが多いので、そこも興味深いですね。

石津マートへ潜入!

3人がおすすめする「石津マート」。どんなお店なのか興味が湧いてきました。

石津マート代表取締役渡辺一也さんにお話を伺います。

渡辺一也さん

取材に伺った時間は午前11時。

買い物かごを下げた人たちが次々と入店してきます。お客様は近所のお年寄りや奥さんたち。また地域柄、港や工場で働いているのだろう男性客も多く見受けられます。

小川港

石津マート近くの小川港

昭和52年、先代がやっていた八百屋は、地元に愛される繁盛店「石津マート」へと生まれ変わりました。

石津マート

 

それから45年。

「できうる限り「地産地消」にこだわったお店」。

代表取締役の渡辺一也さんはそうおっしゃいます。鰹節に始まり、お豆腐やお味噌、地元の商品が並びます。

豆腐は高新田にある戸塚豆腐店のもの

お店に入ったお客様は、一目散に奥の鮮魚、惣菜コーナーへと進んでいきます。

自慢の魚は小川漁港で仕入れたもの。

小川港と言えば、さば!

大量のさばの半身。焼いて食べるか、味噌煮で食べるか。一夜干しもいいなあ…。

大量のさばの半身

バチまぐろにとんぼまぐろ。「お刺身ください」とショーケース越しに声がかかります。

ショーケースに並ぶバチまぐろ

 

刺身は夕飯の食卓に、お酒のあてにと評判がいいとのこと。ケースの中にはスーパーなどでは見かけることの少ないすき身も並んでいます。すき身は中骨の間の身をこそげ落としたもの。

ここに残った身がおいしい!

足が早く日持ちがしないすき身。店頭に並べられるのは魚が新鮮な証拠。

脂がのっていて丼ぶりにしたら美味しそう!

「小川漁港に揚がった珍しいものも置くことがあります」と渡辺さん。まぐろの頭肉といった現地でしか手に入らないものも並ぶのだとか。この日はこの辺では珍しい「めいご」がどんと置いてありました。

めいご

「めいご」は「グチ」の仲間の白身の魚。調べてみたら、大分では「釜ごと飯を借りるほど美味しい」から「カマガリ」というのだそう。煮つけに揚げ物に。どんなふうにお料理しようかと楽しくなってしまいます。

そして、ずらっと並んだお惣菜にはびっくり!お昼はどれにしようかと迷ってしまいます。

お惣菜コーナー

アツアツのおでんなど種類は毎日100種ほど。

人気の餃子

6~7人で全て一から手作りしパック詰め。みなさん大忙しで活気があります。

裏方は大忙し!

先代作の煮豆が出来上がってきました。ふっくらとした金時豆。お茶うけにしてもよさそう。これは絶対買って帰ろう!

ふんわりした甘さが癖になる金時豆

さばやいわしなどのすり身を使った黒はんぺん。半月型をしているのは、昔お皿の糸底へすり身を入れ、お湯に落として作っていた名残だと聞いたことがあります。地元ではその頃の名残で「はんべ」と呼ぶ方も多い。「へそ」とよばれるのはかつおの心臓。港町だからこそ新鮮な物が手に入ります。どちらも焼津のソウルフード。

そのフライは石津マートの人気商品。

はんべのフライ

ジュワジュワという音と油の香りが食欲をそそります。バットに一杯になったへそのフライを「揚げたてでーす!」と店頭に並べると、周りの人たちがそれを目当てに寄ってきます。

へそのフライはレバカツのような味わい

鮮魚、精肉のコーナーは、対面式のスタイルが残っています。

今も残る対面式のスタイル

お客さんとのおしゃべりも距離が近い感じがします。

「大根半分だけ欲しいんだけど」というお客さんの要望に対応していました。

フロアでお惣菜を出していたお姉さんに何が人気ですかと質問すると、「フライや刺身はもちろん人気だけど、餃子と家庭的な味付けのカレーも人気」と教えてくれました。「それは買って帰らないと」と言うと、「ごめんねえ、カレーは明日販売なの」と笑いました。

そういうところも「何度も来たくなる」工夫なんだなあと感心。

夕飯に、餃子とすき身に豆、それから地元通・芝田さんおすすめのパウンドケーキを買って、意気揚々と帰路に就きました。

すき身は酢飯にのっけて丼ぶりに

リンゴとシナモンの香りが抜群!

原材料、仕入れ商品、資材。ここのところの異様な高騰。「少しでもいいものを安く」と考えるお店の経営者としては頭の痛いところ。それでも、お客様が喜ぶ様は励みになりますと渡辺さん。いいお店だなあと率直に思います。

 

今度の休日、お散歩がてら石津マートへ遊びに行ってみませんか?

石津マート

まちかどリポーターおすすめ情報

ポスターやのぼり旗など、石津マートのかわいいイラストを手掛けたのは市内人気イラストレーターやまむらともよさん。

お店のポスター

石津マートのカード(表)

石津マートのカード(裏)

かわいいお店のカードにも注目!
ぜひ店内を探してみてね!

まちかどリポーター

まちかどリポーター:かめ

かめ

焼津生まれ・焼津育ちの野菜ソムリエ。地元の野菜を調べる内、"生きた文化遺産"と呼ばれる「在来作物」と出会い、保存活動を続けている。活動の中で知った焼津の魅力を紹介しようとまちリポに参加。

記事一覧

ページID:126

ページ更新日:2022年3月27日