焼津市ホームページまちかどフォトニュースバックナンバーまちかどリポーター一覧michino ≫ 子どもたちの学びの機会をまもる!「ココミラ+(プラス)」

まちかどphotoニュース

ここから本文です。

子どもたちの学びの機会をまもる!「ココミラ+(プラス)」

近年、子どもたちの「学校離れ」が増えているのをご存知ですか?

全国的にも増加の一途を辿っていますが、静岡県の不登校の小中学生も増加しているそうです。

この現状を心配して立ち上がった大人たちがいます。
そのお一人、ココミラ+代表の吉田恵美子さん(焼津市西小川)にお話を伺いました。

ページ内メニュー

 

ココミラ+(プラス)の発足

島田市で始まった登校しぶりと不登校を考える子と親の会「ココミラ島田」。

ここでは「しゃべり場」というお話し会を中心に、登校に悩みを抱える当事者や家族、経験者が集って交流を続けており、近隣市町の方も含めて「安心して話せる」ネットワークがつくられてきました。

「子どもには学校を休む権利がある」という考え方も広まりつつある*など、不登校の認識も変化してきましたが、学校に行かないことを選択した子どもたちの「学びの機会」を保障する環境はまだ整っていません。

この問題は、当事者の親子だけではなく、より広くさまざまな人たちと共有した方がいいと考え、「ココミラ島田」と想いを同じくする市民グループ「ココミラ+(プラス)」がつくられたのです。

どちらにも島田市、牧之原市、藤枝市など志太榛原地域の方が所属し、焼津市民も参画しています。

あわせて知っておきたい情報

2017年施行の「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律(教育機会確保法、確保法)」で不登校の児童生徒を自治体が支援することを明記し、学校に復帰することを前提にしたこれまでの不登校対策から大きく転換。

勉強会の様子

ココミラ+(プラス)の出発点

吉田さんのお話では、「不登校や今の学校に馴染めない子どもは確実に増えてきているけれど、その実態は把握することが難しい」とのこと。

発表されている人数は不登校の定義(30日以上欠席)に基づいていますが、そのほかにも"登校しぶり"や半日だけ出席など、様々なケースがあるそうです。

吉田さんが続けます。

「フリースクール等に通っている子もいるけど、そうした場はまだまだ少ないし、フリースクールに通う場合は、全て自費で、みんなが頻繁に通えるわけではないんです。実はスクール側も経営が大変なところが多いんですよ」
ここまで聞くと、当事者だけではなく、子どもたちを支える社会全体で取り組むべき問題だということがわかってきました。

吉田さんたちは、今の制度や仕組みが子どもたちの現状に合っていないと感じていて、子どもたちの未来を考えると今のままではいけないのではと不安を覚え、動き始めたそうです。

現在取り組んでいること

まず現状を把握しようということで、昨年秋に「登校に関するアンケート調査」を実施。

アンケートは志太榛原地域を中心に675名から回答があり、必要な情報が得にくいことや、子どもたちの抱える問題が外からは見えにくいことなどがわかったそうです。

いずれにしても不登校は喫緊の課題とのこと。

吉田さんたちは、このアンケートの実施中に焼津市、藤枝市、牧之原市、島田市の担当課を訪問して現状を共有し、集計後にも報告のために足を運んだそうです。

「不登校を取り巻く問題は見えにくいから、生の声を行政にも届けたいし、これからも連携していけたら」と語ってくれました。

目指すものは

現在、市町ごとに相談や学びの場の選択肢がわかるようなフローチャートを作成中とのこと。
困っている時、そして困る前に、色々な選択肢があることを知っていると視野が広くなり安心できますよね。

また、不登校を理由に不安を抱えている当事者や家族に"少し先の見通し"や"希望"を見つけてもらいたいという思いから、不登校経験者の高校生や大学生、社会人との交流の場を設けたり、フリースクールを題材にした映画の上映会も予定していたりと、気になる企画が盛りだくさん!
ココミラ+さんの活動から目が離せなくなりそうですね。

こうした中でも、学校以外の学びの場では経営面の悩みは尽きないとのこと。

これまでに実施してきた焼津市のフリースクールを支援するイベントや寄付の呼びかけに加えて、今後は行政や様々な団体とも意見交換をしながら、フリースクールを支援する具体的な方法についても考え、活動を広げていきたいと教えてくれました。

走りながら、模索は続きます。

 

吉田さんたちが一番心配していることは、学校を休む権利は認められつつあるけれど、学校以外で安心して学びを継続することができる土壌がまだ整っていないことです。

子ども〜思春期の学びや経験は彼らのその後の人生を支える力になる。
だからこそ、なんとか現状を変えていかなければならない、伝えていかなければならないという思いがひしひしと伝わってきました。

子どもたちやその家族の困りごとを見過ごさず、広く地域に呼びかけながら未来を少しでも良いものにしていこうとする大人たちがいるということは、この地域にとって大きな希望になると思います。

 

ココミラ+(プラス)の活動がさらに気になる方、フリースクールなどを支援したいという方は以下連絡先へお問い合わせください。

まちかどリポーター

michino

焼津市出身・在住。学生時代から地域のレジリエンス(回復力、折れない力)を育てる活動をする「静岡2.0」を運営し、2014年から市内で誰でも参加できる対話の場を開いてきた。人に出会い知るたびに焼津を好きになってきた体験をもとに、焼津の人たちの営みをもっと知り、魅力を伝えたいと思い、まちリポに参加。現在は焼津市市民活動交流センター「くるさ〜」の相談員を務める。1児の子育て中。

記事一覧

ページID:197

ページ更新日:2022年4月15日