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子どもの思考力を養う「新聞を教材に」子どもの新聞交流会開催

新聞を教材に子どもの思考力を養う「子どもの新聞交流会」~静岡福祉大学(焼津)にて~

静岡福祉大学(焼津市本中根)にて、地域連携推進センターの学生スタッフと小学4~6年生が新聞を読みながら語り合う「子どもの新聞交流会」(静岡福祉大学地域連携推進センター、静岡新聞社・静岡放送、焼津市放課後子ども教室で共催)が開かれました。

このイベントは、「NIE(Newspaper In Education=教育に新聞を)」という、児童・生徒の読む力・考える力を養うことを目的に、学校などで新聞を教材として活用する活動の一環です。私は小学4年生の息子と参加してきました。

前半は、元校長による「新聞の構成と読み方」のワークショップ

新聞の構成や読み方のコツを教わりました

参加者は大学生6名と近隣市から集まった小学4年~6年生の6名でした。

前半は元公立中学校の校長で、現在、静岡新聞NIEコーディネーターを務めている矢沢和宏さんが新聞の構成や読み方のコツをわかりやすくお話してくださいました。

新聞は「1ページ」ではなく、「一面」と呼ぶことや、その日の主な話題や大事なできごとが一面の右上に掲載されていて、それを「一面トップ」ということなどなど、子どもたちは大きな新聞紙を不慣れな様子でめくりながら、実際の記事を確認して学んでいました。

後半は、学生の手助けを受けながらニュースへの関心を高める交流タイム

静岡新聞から気になる記事をグループ内で共有

わからない漢字や言葉は学生が丁寧に説明してくれました

後半は、学生と子どもたちが2つのグループに分かれ、当日の静岡新聞の朝刊を読みながら気になる見出しや写真を選び、一緒に記事を読みました。子どもたちがまだ読めない漢字や、わからない言葉の意味を質問すると、学生が1人1人にわかりやすく説明してくれたり、さらに理解しやすいような話をしてくれたりしていました。

終わったあとの子どもたちの感想では、「読んでみたら楽しかった」「社会でどんなことが起きているのか知ることができた」など、ニュースへの関心が高まった様子でした。

新聞交流会の終了後、感想を答える小学生

私が息子とこのイベントに参加した理由は、新聞に興味を持ってくれたらいいなと日頃から思いながらも、なかなか時間を取れずにいたからです。

子どもたちが学生さんたちと同じ記事を読みながらじっくり話をしている様子を見て、わたし自身、普段そういう時間をつくれていないことを反省しました。一緒に読むって大切だな…と。矢沢さんが「写真と見出しを見るだけでも大丈夫」とアドバイスしてくださいましたが、これまでは社会のニュース記事は難しく、読むにも説明するにも時間がかかったりするものだと決めつけ、後回しにしていたことに気がつきました。何か1つの写真でも記事でも、目に留まったことについて、気軽に実践していきたいと思いました。

静岡新聞を読みあう親子

交流会を企画したのは、静岡福祉大学 社会福祉学部福祉心理学科3年生の藤山純典さん。学生を中心に行っていた新聞カフェに参加し、この活動を通して地域に貢献できることはないかと考えたことがきっかけだそうです。

「新聞を購読しない家庭が増え、新聞を読んだことがない子、その読み方が分からない子も珍しくない現状を見聞きし、まずは新聞に触れる機会を自分たちが作り、親しんでもらうことで活字離れの解決に貢献できればと考えた」と藤山さんは語ります。

実際に交流会を開催してみたところ、「子どもの頭の中にある自由な考えに何度も驚かされ、この発想力を大人になっても生かしてもらうためにも、幼少期から文章に慣れ親しみ、読解力を養い、世界の出来事や課題について、自分の頭で考えることができるようになってほしいと感じた」という藤山さん。

学生のみなさんが本当にやさしく子どもたちに寄り添ってくれました。大学生が向き合ってくれた時間は、子どもたちにとっても貴重な体験だったと思います。丁寧に子どもと向き合う姿勢を、わたしも見習いたいと思いました。

共催として関わった静岡新聞社の小笠原康晴さんにもお話を伺いました。小笠原さんは「藤山さんを中心とした学生さんたちの提案で実現したこの交流会では、ネットの世界とは違った紙媒体のおもしろさや良さを広げてもらえてうれしい。深掘りできるネットの良さも活用しながら、視野を広げるためにも子どもたちには新聞に気軽に触れてもらい、それぞれ違うおもしろさに気づくきっかけになれば」とおっしゃっていました。

矢沢さんのお話の中にも「子どもたちにはデジタル(インターネット)と紙の“二刀流”になってほしい」という言葉がありました。保護者としても、デジタルだけでは読解力やリテラシーが身につかないのではないかという不安があるので、紙の新聞や本もじっくり読める子になってほしいとあらためて感じました。そのためにも、まずは私からお手本になりたいと思いました。親子揃って、地元でとても有意義な時間を過ごすことができました。

まちかどリポーター

Takako

県東部出身で、結婚を機に焼津に縁を持ち、現在は藤枝市在住、3人の子育てをしている。焼津をもっと知る機会になればと思い、まちリポに参加。

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ページ更新日:2023年2月3日