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焼津の“食”と“温泉”が紡ぐ癒しの時間 〜日帰りで行く!焼津温泉の楽しみ方〜
突然ですが、焼津市に天然温泉があることをご存知でしょうか?
2021年10月より新しく完成した井戸から給湯を開始し、それに伴って名称を「やいづ黒潮温泉」から「焼津温泉」に名称を変更したのは記憶に新しいでしょう。
しかし、この名称変更と併せて、市内で無料配湯イベントを行ったところ、焼津市民でも焼津黒潮温泉のことを知らない人が多かったそうです。
ぜひこの記事を読んで焼津温泉の魅力を知った上で、日頃の疲れを癒しに訪れてみてくださいね。
まちかどリポーターのケンフィー
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焼津市が目指す、“食”と“温泉”による観光資源化
焼津市が目指すのは、“食”と“温泉”を市外・県外に発信して、観光客や移住を呼び込み、街の活性化を図ること。焼津は7年連続水揚げ量が全国1位であり、魚を中心に食にも恵まれ、さらに天然温泉も備わっています。これらを活かしたまちづくりを進める一環として、焼津駅前や焼津市役所前に足湯が作られました。
電車で焼津に来た人は駅前の足湯を、車で焼津に来た人は市役所の足湯をぜひ体験してみてくださいね。
焼津市役所前の足湯(出典:焼津観光協会)
焼津駅前の足湯(出典:焼津観光協会)
焼津温泉は、元々ガス会社が天然ガスを掘削する井戸から温泉が湧き出ていることを発見して始まりました。
地下1,500m、約1,900万年前の地層「女神層」から湧出する豊富な温泉成分を誇る良質な天然温泉で、ナトリウムを多く含む塩化物泉です。中でも保湿効果が高く湯冷めしにくいのが特徴で、疲労回復や神経痛、冷え性のほか、健康と美容にも効果があるとされています。
その焼津温泉を体験できる施設が、足湯以外で、焼津市内に9箇所あるそうです。
- 元湯なかむら館
- サンライフ焼津
- エキチカ温泉くろしお
- 焼津グランドホテル
- ホテルアンビア松風閣
- 亀の井ホテル焼津
- 湊のやど 汀家(みぎわや)
- やいづマリンパレス
- 月と鮪 石上
(順不同)
今回は、そのうち日帰りで利用できる施設を4箇所紹介します。
焼津温泉発祥の地:元湯なかむら館
まず紹介するのは、焼津温泉を語る上で欠かせない、焼津温泉発祥の地ーー元湯なかむら館。
「元湯なかむら館」は、地元のガス会社が掘削した天然ガス井戸から源泉を発見し、1959年に創業した源泉掛け流し温浴施設です。初代社長が地元のガス会社が廃棄していた坑水を温泉として利用するアイデアを思いつき、当初は地域住民に無償で提供されていました。後に温泉施設として開業し、創業当初から今日まで、「焼津温泉」の発祥の地として、市内で唯一の完全源泉掛け流しのスタイルで伝統を守りながら営業しています。
取材に応じてくださった元湯なかむら館の植田正樹社長
源泉掛け流しとは、常時源泉を浴槽に注ぎっぱなしにして、溢れたお湯をそのまま廃棄する運営方法で、いつでも新鮮で良質な温泉を楽しめます。元湯なかむら館は、焼津市内では珍しい〈天然温泉の源泉掛け流しスタイル〉で温泉を楽しめる施設です。
2021年に新しくなった外観(出典:元湯なかむら館)
大浴場(出典:元湯なかむら館)
露天風呂(出典:元湯なかむら館)
また2021年には、温泉施設の隣にある一軒家をリニューアルしてカフェを併設し、浴槽の全面改装に加えて露天風呂も設置、レンタルスペースの増設や整体ルーム等も兼ね備えた多目的型の温泉銭湯として生まれ変わりました。「癒す」「楽しむ」「味わう」「集う」をテーマに、カフェでは焼津の名産を取り入れたメニューも提供するなど、来店されるお客様の心身の健康を守り育むお手伝いを始めたということです。
実際に地域の人々が、レンタルスペースを交流の場として活用したり、カフェで食事やスイーツを楽しんだりしています。
新しく新設したカフェ(出典:元湯なかむら館)
レンタルスペース(出典:元湯なかむら館)
整体ルーム(出典:元湯なかむら館)
さらに常連客からは、「ここが一番温まる」との声も上がっており、土日などは遠方からの観光客や全国の温泉愛好家も訪れます。伝統を守りながらも時代に対応し、今後も地域に根付いて営業していく「元湯なかむら館」。
焼津を訪れた際には、源泉掛け流しの温泉と美味しい食を堪能してくださいね。
時代とともに地域住民の居場所であり続ける:エキチカ温泉くろしお
次に紹介するのは、焼津市で夜遅く温泉が楽しめる「エキチカ温泉くろしお」。
焼津温泉自体は、地元のガス会社が掘削した天然ガス井戸から源泉を発見したところから始まりますが、源泉の井戸は、その後も何ヶ所か発見されています。中でも1983年に源泉が発見された際に、焼津市内で天然温泉を活用しようという動きが高まりました。
「エキチカ温泉くろしお」も、その動きを受けて、1984年に「やいづ黒潮温泉 焼津駅前健康センター」として創業しました。
開業当初の健康センター(出典:https://buratto-tabi.jp/)
リニューアルしたエキチカ温泉くろしお(出典:エキチカ温泉くろしお)
しかし、「健康センター」として、長年にわたって地域住民の憩いの場となっていたことで、次第に高齢者が集まる場所となり、若い世代が寄りにくい場所になっていたといいます。
そこで2017年に半年間休館し、リニューアル工事を実施しました。支配人の石間さん曰く、2017年当時は施設の営業を辞めようと思っていたそうですが、その当時「カフェ×温泉」が若い世代を中心に流行っていたことを受け、若い世代も楽しめる施設へと方向性を大きく変えたとのことです。
取材に応じてくださったエキチカ温泉くろしお支配人 石間文博さん
リニューアルした直後は、客足が遠のいたそうですが、そこから順調に客足が戻ってきて、今では23時間営業の日帰り温泉という強みを活かして、若い世代からカップル、夫婦、家族など、誰でも気軽に来られる居場所になりつつあるといいます。
さらに、施設内には仮眠室やレストランだけでなく、コワーキングスペースや漫画コーナーもあり、家族連れで行っても、1人ひとりが好きなように過ごせるといいます。
昔から親しまれてきた大浴場(出典:エキチカ温泉くろしお)
最新式のサウナ(出典:エキチカ温泉くろしお)
石間さんによると、「いつ来ても、誰と来ても、温泉でゆっくりリフレッシュした後は、漫画を読んだり、仕事をしたり、アルコールを楽しんだり、各々の時間を過ごしていただける、そんな居場所を目指しています」とのことです。
実際、館内には「人をダメにするクッション」でお馴染みのyogiboでリラックスできる空間があったり、静かな環境で作業に集中できるコワーキングスペースがあったり、コーヒーが飲み放題だったり、食事やアルコールを楽しめるレストランまで揃っています。
施設の2階では自分なりの楽しみ方を追求できるようになっている
静かな環境で作業に集中できるコワーキングスペース
食事やアルコールを楽しめるレストラン
35年間健康センターとして親しまれてきた「エキチカ温泉くろしお」は、現在も新しい形で地域の居場所であり続けようと、今日も営業を続けています。
関連リンク
市民の健康づくりをサポート:サンライフ焼津 焼津温泉
次に紹介するのは、「サンライフ焼津 焼津温泉」。
「サンライフ焼津 焼津温泉」は、かつてはジムやプールを運営していた勤労会館の施設でしたが、2008年3月に新館を増設し、温泉施設を中心にリニューアルオープンしました。
増設された施設の外観(出典:サンライフ焼津 焼津温泉)
サンライフ焼津の特徴としては、温泉施設以外に、トレーニングジムや貸会議室、パソコン教室、ヘルスコーナー、食堂なども充実していて、地域住民の健康づくりや勤労サポートに貢献している点です。
会員制のフィットネスジムと比べてリーズナブルで、トレーニングや温泉が利用できて、さらに2023年9月に新設したヘルスコーナーでは、肌年齢や脳年齢の測定器やコラーゲン生成器、酸素ルームが導入されており、より一層市民の健康づくりをサポートしています。
大浴場(出典:サンライフ焼津 焼津温泉)
トレーニングジム(出典:サンライフ焼津 焼津温泉)
また、市営の施設であるため、老若男女を問わず、市内・市外を問わず、誰もが気軽に集う居場所を目指しているといいます。美容と健康にも良いとされている地元の名湯・焼津温泉にて、ゆったりまったりほっこりと身も心もほぐしませんか?
駿河湾や富士山を一望できる至福のひととき:焼津グランドホテル
最後に紹介するのは、焼津グランドホテル。
ホテルを日帰り利用することに対して、馴染みがない人も多いかもしれませんが、焼津グランドホテルでは昼食ビュッフェを利用された方限定で、温泉が利用できるということで、焼津グランドホテルにも取材してきました。
焼津グランドホテルは、1969年に開業し、駿河湾の絶景を眺めることができる最高のロケーションに位置することから、開業当初から話題になりました。そのため客室や大浴場から、駿河湾や富士山を眺めることができ、天気がよければ最高の風景が楽しめるといいます。
駿河湾と富士山の絶景が楽しめる露天風呂(出典:焼津グランドホテル)
焼津グランドホテルで温泉を楽しむには、まず昼食のビュッフェを利用することが必要です。
ビュッフェでは絶景ロケーションを楽しみながら、一流シェフが作った料理を堪能できます。お腹も心も満たされるというわけですね。ちなみに料金は1人3000円〜で、営業時間は11時30分から午後2時30分です。
ビュッフェ「The Dining炎の香」
駿河湾や富士山を眺めながら一流シェフの食事が楽しめる
そして、ランチビュッフェを利用した方限定で、午後1時〜午後3時の時間帯に温泉にも入ることができます。こちらは中学生以上1000円で利用できます。ちなみに開業当初は天然温泉ではありませんでしたが、1983年に源泉が見つかってから天然温泉を引き込み、現在に至るまで天然温泉を提供しているとのことです。
取材日はあいにく天候に恵まれませんでしたが、天気が良ければ絶景ロケーションを見ながら、ナトリウムを多く含んだ天然温泉で疲れを癒すことができます。(またリベンジしてみたいと思います)
海のお風呂:海音
ランチ利用では女湯
海のお風呂:汐風
ランチ利用では男湯
日帰りで利用できる温泉は、「海のお風呂:海音/汐風」で、女性が「海音」、男性が「汐風」になっています。また通常の宿泊では時間で入れ替え制となり、チェックイン日とチェックアウト日で違うお風呂を楽しめるようになっているとのことです。
また宿泊利用だと、駿河湾や富士山を一望できる海のお風呂に加え、周りを樹木に囲まれた森のお風呂も利用でき、さらに2024年3月6日にオープンした「FUJI VIEW AREA」も利用できるとのことです。
「FUJI VIEW AREA」では、駿河湾を一望しながら足湯に浸かったり、静岡県産の緑茶と焼津グランドホテルのパティシエが作る和菓子とともにまったりとした時間を過ごしたりできます。
まるで駿河湾に足を入れたように、絶景を眺めながら足湯を楽しめます
(出典:焼津グランドホテル)
駿河湾と富士山を一望できる絶景ロケーションとともに、“食”と“温泉”を満喫できる贅沢な時間を、たまには味わってみてはいかがでしょうか。
きっともっと焼津のことが好きになりますよ。
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まちかどリポーター
ケンフィー
1994年生まれ。兵庫、岡山を経て静岡へ。ITエンジニアの傍ら、様々なイベントの運営に関わる。2017年頃から始めた個人での取材経験を活かして地域創生に関わるため、まちリポに応募。
ページID:152
ページ更新日:2024年7月12日