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「ニュー焼津」構想で焼津を世界ブランドにする関根 仁さんの挑戦
こんにちは!
焼津まちかどリポーターのケンフィーです。
今回は、福島から東京に上京し、その後、焼津に移住した関根仁さんが新たに挑戦しようとしている焼津の食文化を味わえる大衆食堂「ニュー焼津」を取材し、関根さんが思う焼津の魅力と、それを世界ブランドにする構想について伺いました。
ニュー焼津の内装前の様子と関根さん
ビジネスプラングランプリで準グランプリ獲得した、関根さんの挑戦のアイデア
関根さんは、18歳の頃に上京して魚を卸す職に就きますが、その後30代で自分のお店をオープンし、40代でギフト用のツナを商品化させ、そのツナの開発工場(TUNALABO)の設立のために拠点を焼津に移して活動されています。
今回の挑戦は、これまでの「TUNALABO」での活動とは別で、関根さん自身が「焼津でリーズナブルにツナを食べる場所が少ない」「焼津で出汁が飲めるところが少ない」といった課題に気づき、それを解決するために新たに提案しようとする挑戦で、それが「ニュー焼津」とのことです。
この挑戦は、2024年2月にオーレ藤枝で実施された「第11回志太ビジネスプラングランプリ最終審査会」にて、「焼津と沼津を間違われなくする方法」というタイトルでプレゼンされ、見事、準グランプリに輝きました。
第11回志太ビジネスプラングランプリ:関根さんは前段右から2番目(出典:志太ビジネスプラングランプリ)
そのプレゼンの中で、関根さんは、
「焼津市は日本三大鰹節の生産地ではあるものの、鰹節屋さんはあっても、出汁が飲めるお店が少ないし、港の近くで気軽に食べられる場所がなく、漁師さんや魚関係者は朝が早いが、その時間帯に開いているお店がない。
また、少し値段の張る寿司屋や海鮮丼などのお店が多いが、気軽に食べられる低価格帯の飲食店が少ない。そういう状況で、現地に3年近く住んで、私自身が『ニュー焼津』のようなお店が欲しいと思った」
と語っており、焼津の鰹節の出汁と食文化が味わえる大衆食堂を焼津に作ることで、住民が気軽に焼津の食文化に触れられる機会を作りたいといいます。
ニュー焼津コンセプト
さらに関根さんは、「ニュー焼津」を通じて、焼津ブランド化計画を図りたいとも語っていて、「ニュー焼津」の多店舗展開や自動販売機の設置などを推し進めることで、「焼津」の新たなお土産としてもブランディングでき、それが焼津のブランド化につながるのだと話していました。
ニュー焼津:市役所から徒歩1分という好立地
「おつな」と「ニュー焼津」の2つのブランド
関根さんは、これまでの人生をかけて美味しいツナを開発し、“美味しい”が繋がってほしいという思いから「おつな」としてギフト用の商品を販売してきましたが、今回新たに挑戦する「ニュー焼津」は、「おつな」とは全く異なるブランドで、両者は別物だといいます。
「おつな」は日常で食べる用ではなく、大切なひとへのプレゼントやギフト用で、それに対して「ニュー焼津」は日常で焼津の食文化に触れられるもの。そのため、「おつな」と「ニュー焼津」は全くの別物で、これから始める挑戦は、ゼロからのスタートになるとのことです。
さらに、全く異なる2つのブランドがあることで、異なる市場にアプローチでき、互いに相乗効果も狙えるとのことですが、それは結果論で、「ニュー焼津」は焼津のブランド化を進める上で欠かせないものだといいます。
「私自身、県外出身ですが、焼津は、そんな“よそ者”でも挑戦させていただける街で、その上、歴史も深く、ブランドやストーリーに使えるものがたくさん眠っている」
と関根さんが話すとおり、焼津には、文豪・小泉八雲や国産ツナ缶発祥の地という歴史、焼津温泉や海洋深層水、水産資源という天然資源などたくさんの資源が眠っています。
今回の「ニュー焼津」の挑戦も、日本三大鰹節の生産地で、2023年の水揚金額は全国で8年連続の1位、水揚数量は全国で4位というブランドやストーリーの上に、焼津で日常的にツナや鰹節の出汁が楽しめるお店を展開することで、焼津のお土産市場も狙うことができ、「焼津のブランド化」に貢献することができるといいます。
ニュー焼津:店内の様子
また関根さん曰く、「焼津の魅力に気づく人が少なく、まだ注目されていない歴史や食文化があるからこそ、〈ニュー焼津〉として提案したい。焼津は観光地でも十分ポテンシャルある場所ですから」とも話していました。
焼津ブランドを海外に持っていきたい
まもなく50代を迎える関根さんが、次なるビジョンとして掲げるのが「世界進出」。
焼津ブランドを海外に持っていきたいと思っている関根さんは、そのために「ニュー焼津」を焼津のブランドとして認知させ、海外に持っていく必要があるといいます。
大衆食堂を作って、地元の人たちに喜んでもらうのはもちろん、その先に見据える「世界進出」という裏のテーマ。
新しいことや自身が課題に感じていることに果敢に挑戦する関根さん。関根さんはこれまでに1度、レストランで食事中に倒れ込んだことがあり、その時に「死」を感じたといいます。また、これまでの人生で何度もどん底を味わって這い上がってきており、その「挫折」や「死」を感じたことが、関根さんの挑戦を加速させているように思えます。
ニュー焼津には小泉八雲の肖像画が飾られた個室も完備されています
最後に関根さんは、こう話して、取材を締めくくりました。
貯金が底をつく不安や、自暴自棄に陥ったこと、失敗や挫折、恥ずかしい経験も多くありますが、それらは成長の糧だと考えています。
挑戦には失敗や挫折がつきものですが、それすらも楽しめるくらい、自分自身が心の底からワクワクすることに向き合い、まずは自分が楽しむことを大切にしていけたらと思います。
関連リンク
ニュー焼津
- 〒425-0022 静岡県焼津市本町2丁目9-11
- 電話番号:054-631-6820
- 営業時間:午前6時〜午後3時頃(出汁かやる気がなくなり次第終了)
まちかどリポーター
ケンフィー
1994年生まれ。兵庫、岡山を経て静岡へ。ITエンジニアの傍ら、様々なイベントの運営に関わる。2017年頃から始めた個人での取材経験を活かして地域創生に関わるため、まちリポに応募。
ページID:284
ページ更新日:2025年1月10日