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プロフェッショナル!挑戦する焼津の企業~創業76年、変革し続けるイシダテック~

学校卒業後の就職、UIターン転職、都会からの地方移住などをする際に、多くの人はその地域での仕事について考えることになります。

地方にはなかなかいい企業がないのでは?
面白い企業がないのでは?
面白い企業に勤めるなら都会に住むしかないのでは?

そういった不安を持たれる方も多いように思えます。

しかし、主観ではありますが、焼津市は港町ということもあり昔から地域を越えた人の交流が多く、新しいことへの挑戦を応援する文化がある地域だと私は思っています。

新しい挑戦をする焼津の企業も多く、今回私が訪問した株式会社イシダテックも魅力的かつ先進的なイノベーション企業の一つです。

開発の様子(イシダテック提供)

 

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イシダテックの概要

イシダテックは、1948年に石田鉄工所としての個人創業から始まり、76年の歴史がある企業です。
石油ストーブの自動消化装置など、焼津市の製造会社として創意工夫を凝らした機械を開発してきました。

創業者である石田稔氏は、「焼津のエジソン」と呼ばれていた発明家でもあり、当時では画期的であった「みかんシロップ注入機」「みかん自動皮剥機」「天蓋開閉装置」など数多くの特許取得製品を開発しています。
「発明は思いやり」という想いから、人の役に立つものを常に作り続けてきたそうです。

76年が経った今も、創業者の思いは受け継がれ、食品や医薬品向けの機械をオーダーメイドで開発。設計から製造までを一貫して行っております。

長年続く丁寧なものづくりに加え、AIなどの最新技術との融合を図り、革新を続けています。

 

そして、2024年8月6日、私、紅林がイシダテックさんを訪問しました。

現社長である石田尚社長と総務部の小山和希さんが私を迎えてくださいました。

石田尚社長(イシダテック提供)

そして、イシダテックさんの魅力は、変革に向き合い続ける冒険的な企業であることだと感じました。

2016年に当時専務取締役として入社した石田尚社長が、最初に行ったことは「会社を見える化すること」だそうです。
足りないところは何なのか、それを補うために新しいことを積極的に取り入れていきました。

3年前から始めたnoteによる情報発信もその一つ。
若い世代との接点を増やすために始めた取り組みの結果、Z世代の注目企業2022年にも選ばれております。

イシダテックの変革の源泉

なぜイシダテックさんが新しいことをやり続ける、変革し続けることができるか。
お話を伺う中で、いくつもの理由が見えてきました。

創業者から引き継ぐ発明家としてのDNA

創業者である石田稔さんは、「焼津のエジソン」として常に新しいものを作り続けていました。

ただ新しいものを生み出すのではなく、地域やお客様のニーズにも応えていく。「発明は相手への思いやり」というDNAが、現社長である石田尚様にも引き継がれている印象を受けました。

受注生産によるビジネスモデル

イシダテックは、受注生産によるオーダーメイドの機械を製造しております。それは「お客様に合わせて、最適なものを作り続ける」という意味です。
時には、お客様から「新しい技術を使った、今までにない新しい製品を作ってほしい」と頼まれることもあるそうです。つまり、新しいことに試行錯誤し、挑戦し続けることがそもそもの仕事なのです。

溶接の様子(イシダテック提供)

思い切った人材採用・育成(1)

イシダテックでは、人材採用・育成においても思い切った挑戦を行っています。

例えば、取材を対応してくださった小山さんは働きながらMBAを取得された経験があります。MBAで学ぶ内容は創造と変革です。

ともに働く仲間で目指すゴールは同じであっても、それを実現する方法については経営層や役員と異なる意見が出ることもあります。

しかし、時代や社会の激しい変化に適応していくためにも、「創造」「変革」は大切な要素。
MBA取得を応援し、葛藤さえも会社を良くするための前向きなものと受け入れるのがイシダテックです。

思い切った人材採用・育成(2)

私が、イシダテックさんが本当に革新的だと思った点は、0から1を生み出すイノベーションタイプを雇用されているという点です。

その一人が、同僚から「天才」と呼ばれるエンジニア・中原正寛さんです。

中原さんは高専時代にロボコン大会で大賞を受賞した経歴を持ち、現在はAIエンジニアとして活躍されています。

イシダテック初となる、AIを用いた食品の自動検品装置を設計された実績があります。

AIに不良品の学習をさせ、良品/不良品の判別をするシステムをつくり、さらにそのシステムを検品装置に一体化させる設計ができるのは中原さんしかいないのだそうです。

しかし、聞くと当初中原さんは、8時から午後5時といった既存の労働時間やルールでは活躍することが難しかったそう。

けれども、AI実装・サービス化という今までに前例のない「0から1を作る事業」を行えるのは中原さんしかいない。

「それならばルールを見直そう」と、タレントが働きやすい環境づくりを多様に進めてきたそうです。

中原さん(イシダテック提供)

当然に既存の社員との葛藤もあります。今回のインタビューでも、決してキラキラした綺麗なことだけじゃないと困難さも伺いました。

「挑戦と変革に取り組める人材がほしい」

そういった想いを持った企業は多くあります。

しかし、多くの場合はなかなか雇用できない、雇用しても才能を活かしきれないなど、決して綺麗で良い話ばかりではありません。

それでもイシダテックさんは困難に向き合い本気で熱く挑戦し続けております。

取材を終えて

今回のインタビューを通じ、イシダテックさんは多くの困難に挑戦し続ける企業であると確信しました。常に新しいものを取り入れ続ける、変革に挑戦し続ける企業です。

焼津市にはイシダテックさんをはじめ、多くの魅力的な企業があります。人生の転機で就職について考えるタイミングで思い出していただければ幸いです。

まちかどリポーター

紅林さんプロフィール画像

紅林

吉田町出身。焼津市の食べ物に心を掴まれてファンになる。現在、東京と焼津市の二拠点で中小企業診断士として中小企業の支援を行っている。焼津市のおいしい食べ物をもっと知りたい思いからまちリポに参加。

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ページ更新日:2024年9月4日