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石津西公園のかまどベンチを知っていますか?〜環境や防災の視点から焼津市の公園を知ろう~
皆さんは「かまどベンチ」って聞いたことがありますか?
私は11月に石津西公園で開かれたピックヨウルで、焼津環境緑化事業協同組合の青年部がかまどベンチで豚汁を作るのを見て初めて知りました。普段何気なく見ているベンチが座面を外すことで災害時はかまどとして役立つなんて驚きです!
日頃から近くにある公園にどんな防災の機能があるか知っておくといいですよね。組合事務局長の寺尾隆之さん(写真右)と青年部会長の櫻井僚さん(左)にお話を伺いました。
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皆の知恵を出し合って
焼津環境緑化事業協同組合の自主事業としてピックヨウルに参加したのは、焼津市からの「街の中でピックヨウルをやれないか」との呼び掛けがきっかけ。青年部はかまどベンチでの炊き出しや竹ランタンの販売、クリスマスリースのワークショップで出店しました。
ーーピックヨウルに参加してどうでしたか?
(櫻井さん)かまどベンチでの炊き出しは市民の方にどうやって使うのか実際に見ていただく良い機会になりました。竹ランタンは栃山川緑地公園で通行の邪魔になる竹を伐採して再利用しました。組合のメンバーが仕事の合間に手作りし、値段を設定しました。クリスマスらしく赤や青、緑のLED電球を選べるようにしました。青年部では月に1回集まっているので、ピックヨウルの出店内容も皆で意見を出し合って考えましたね。
防災体験会でもかまどベンチでの炊き出しを行った(提供:焼津環境緑化事業協同組合)
(櫻井さん)クリスマスリースのワークショップも反応が良かったです。親子連れを中心に約30人が体験してくれました。リースに使うどんぐりなどは公園で拾ってきました。スタッフがどこで拾ったか説明して子どもに知ってもらう場になりましたね。
自分で材料を選ぶのが好評だったワークショップ(提供:焼津環境緑化事業協同組合)
(寺尾さん)お客様に「ありがとう」「イベント成功しましたね」と声をかけていただきました。会場の石津西公園も夕焼けやイルミネーション、お店の灯りがロマンチックな雰囲気で良かったです。
ピックヨウルの雰囲気を演出したイルミネーション(提供:焼津市)
防災公園の隠された機能
ーーかまどベンチを初めて知りました。石津西公園には他の防災設備もあるんですか?
(寺尾さん)石津西公園は焼津市の防災公園です。大規模地震に備え、かまどベンチ3基、100トンの飲料用耐震性貯水槽、テントや食料を備蓄した防災倉庫、マンホールトイレがあります。
昨年の防災体験会の様子(提供:焼津環境緑化事業協同組合)
(櫻井さん)2022年は防災体験会を行いました。かまどベンチを使った炊き出し体験を行ったのですが、コロナ禍でお湯を沸かすような簡単なことしかできなかったので、ピックヨウルでは豚汁を提供できて良かったです。
ーー焼津市民は石津西公園が防災公園だと知っていますか?
(寺尾さん)意識していないかもしれませんね。住宅街の真ん中に4.2ヘクタールの公園があるのはすごいことです。多目的広場は災害時にはヘリポートになり、大雨時には調整地として近くの河川の氾濫を抑制する役割を果たしてくれているんですよ。
災害時はヘリポートになる多目的広場
(櫻井さん)静岡県は他の県よりも防災意識が高いと思います。わたし自身、防災訓練を頻繁に行っているのは焼津に戻ってから気付きました。石津西公園の防災機能を知らない方にもアピールしていきたいですね。
ーー今後の目標はありますか?
(櫻井さん)公園を使って組合のメンバーのスキルアップを図っていきたいと考えています。それから、いま造園業は人手不足です。今回のようなイベントを通じて公園管理の仕事を子どもたちに知ってもらい、将来の選択肢の一つにできたらいいですね。暑い夏も外で働く仕事は大変ですが、自然を相手にすることはAIには難しいことですから。
(寺尾さん)造園業は木を専門に扱う職人集団です。プライドも高いし(笑)。この人たちがいなくなると困る。本当に大切な仕事なんですよ。
事務局のスタッフが飾りつけしたクリスマスツリー
お2人からは「焼津の公園や自然を身近に感じてほしい」という思いが伝わってきました。公園の利用者として、環境配慮や防災機能、造園業の未来に目を向けることもとても大事だと感じました。今回の取材をきっかけに新しい視点で公園を見ることができそうです!
まちかどリポーター
yuko
藤枝市出身。静岡市に引っ越した後、東京で大学、社会人生活を送り、再び静岡市に戻る。焼津は子供の頃を思い出す懐かしい街のため、変化にも目を向けて取材を楽しみたい。
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ページ更新日:2023年12月14日