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海と路地のまち「浜当目」で、ノスタルジックでな風景と出会う
3年間続いたコロナ禍から、ようやく抜け出せる兆しが見えてきた今日この頃、この禍がもたらした多くの変化に改めて驚かされることがあります。変化には、良いものも悪いものもあり、また、訪れる変化は人それぞれ違いもあるでしょう。
旅行好きの私にとって、コロナ禍がもたらした一番の変化は、旅のスタイル。国境はおろか、県境越えもままならない状況下で、政府が観光業界に手を差し伸べた全国旅行支援を活用し、私は静岡県の観光資源をあちこち見て回りました。「灯台下暗し」とはよく言いますが、コロナ禍でのこの体験を経た今ほど、この言葉を身にしみて感じることはありませんでした。静岡県ってこんなに素敵な場所だったんだと。1つの自治体でもエリアによって異なる魅力があり、過去から繋がれた歴史の記憶がまちの景観にしっかりと息づいている、そんな風景にたくさん出会うことができました。
そこで今回は、コロナ禍が私にもたらした故郷探訪旅行から、焼津市北東部に位置する浜当目地区をご紹介します。
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浜当目海岸のサウンドスケープとランドスケープ
浜当目エリアの最大の魅力スポットは、なんといっても市内で唯一海水浴場として開かれた浜当目海岸です。
この海岸は約400メートルにわたり延びる砂利浜で、これは沖合の海流が早く、波が強い海岸でよくみられる特徴です。砂浜とは異なり、砂利の海岸は歩くのが大変で、裸足になったときは痛みさえ感じます。けれどそれもご愛敬。波が砂利に当たりながら、岸に寄せて返す時、打楽器がカタカタと震えるような、独特の音を楽しむことができるのです。
サウンドスケープに加え、浜当目は海岸をとりまくランドスケープも素晴らしい。
このエリアの北端を守る虚空蔵山(こくぞうさん)、その向こうに顔をのぞかせる霊峰富士、そして駿河湾を越えて幻想的に写しだされる伊豆半島のシルエットが織り成すランドスケープは、焼津ならではの風景ともいえるでしょう。
毎年元日には、この海岸に多くの人が初日の出を拝みに訪れます。「夕日のまち」として有名な西伊豆町から駿河湾を隔てて対岸にある焼津のまちは、美しい日の出を見ることの出来る「朝日のまち」なのです。
伊豆半島の向こうから昇る浜当目海岸からの朝日
虚空蔵山の断崖絶壁
迷路のような路地
浜当目は、国道150号線を上り、瀬戸川を渡ったところに開けた地域です。国道から海よりに道を折れると、道は細くなり、まるで迷路のような路地が縦横に広がります。整備された幹線道路ではなく、昔ながらの生活の感じが息づく路地の風景はどこかノスタルジックで、遠いまちに旅へ来たかのような錯覚を覚えます。
また、海岸よりも少し低いところに民家があるところもこのあたりの土地の特徴。そのため、緩やかな傾斜の路地をのぼっていくと、突然青い水平線が目に入り、途端に海が目の前に開けてくるというファンタスティックな光景に出会うことができるのです。
昔、虚空蔵山には石切場があり、当目石(とうめいし)と呼ばれる青みがかった石が採取されたそう。神社の常夜灯や路上の石垣など、今でも綺麗な青色の光りを放つ石を見つけることができました。幸運を呼ぶブルーストーン!?を探しながら、浜当目の路地を散策してはいかがでしょうか。
緩やかに路地をのぼった先には海が開けている
当目石を使った那閉神社の常夜灯
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ユニークカフェとレストラン
今時のまち歩きに必須なものといえば、おしゃれなカフェやレストラン。浜当目は、焼津の中でもユニークなカフェやレストランがあることで有名なエリアです。
沖縄好きの店主が経営する「あだびーcafe」では、ソーキそばやシークワーサードリンクなど、沖縄にちなむ名物を提供しています。
海岸沿い建つ「南蛮亭」は、その名のとおり駿河湾の絶景を眺めながらポルトガル料理を楽しむことができるレストラン。(こちらのお店は不定休のため、訪れる前に要確認とのこと)
海岸から少し路地を入ったところにある会席料理「遊石(ゆうせき)」は、まさに隠れ家という言葉がぴったり、大切な日に訪れたくなる素敵なお店です。
そして、150号線を挟んだ西側には、登録有形文化財家屋を利用した古民家カフェ「toiro cafe」が2022年オープンし、浜当目活性化の中心的存在として、賑わいを見せ始めています。
沖縄をテーマにしたあだびーカフェ
国の登録有形文化財を利用したtoiro cafe
以上、私が見つけた浜当目の魅力をご紹介しましたがいかがだったでしょうか。
ホテル、史跡、フォトスポットなど、このエリアにはまだまだたくさんの見所があります。ノスタルジックでフォトジェニックな浜当目を歩き、自分だけのお気に入りスポットを探してみてはいかがでしょうか。
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まちかどリポーター
AYAKO
焼津小泉八雲記念館学芸員。日本大学国際関係学部非常勤講師。比較文学専攻。焼津小泉八雲記念館では、企画展示会や八雲関連イベントの企画を担当している。
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ページ更新日:2023年4月5日